マメコバチ様。

こんにちは 桜庭りんご農園のウリタです。
今日は午後から小雨の振る、ちょっと肌寒い天気です。
りんごの花も散り始め(もう散っちゃったかな?)
我が農園一番の働き者のマメコバチさん(敬意を払って「さん」づけです)達も
そろそろ姿を消す頃でしょう。
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こちら↑開花時にセットされたマメコさんたちの巣箱です。
木箱の中にはヨシの茎が束ねられて入れられ
この一本一本に、卵を産んでくれるわけです。
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小さな一番の働き者の同僚さんは1cm~1.5cmほど。
とても温厚なので人を刺すことはありません。
(万が一刺されてもミツバチのような逆鉾がないので刺されても針は残らないそうです。)
また、ミツバチなどのように、卵だけを産むいわゆる女王蜂がいないのも特徴です。
マメコバチが、受粉に適している要因は
まず、行動範囲が狭いのでちゃんと園内で活動してくれる事。
そして、足で花粉をかき集めながら動いてくれるので柱頭に100%接触することから
ミツバチの5~6倍の受粉効率を持っているのです。
(マメコさん、すばらし~~~)
さて、このマメコさん達は
園主@桜庭のお父さん(先代の園主ですね。以下おじじ。)から代々伝わるマメコさんです。
前の年にヨシの茎に産み落とされた卵達は
ヨシの中で羽化し
花粉を食べて成長し
繭を作り中でサナギになり
繭の中で羽化して成虫になります。
が、そのまま冬眠に入るので
1月になると、おじじがヨシを割って成虫入りの繭玉を取り出し
稚苗用育苗箱(津軽弁ではオリダ)に並べ
そのまま、さむーい蔵の中でさらに春を待ちます。
そして、春。
木箱に中に新しいヨシの茎と
繭玉の入ったオリダをセット。
生まれた成虫が腹ごしらえできるように蜂蜜(市販の)も入れ
網戸用の網でフタをしてます。
暖かくなるとオスから順番に繭から脱出し
蜂蜜を食べながらメスを待ちます。
メスが出て来たら即座に交尾。
そして、いよいよ待ちに待った開花時期。
巻頭の写真のように、畑のあちこちに設置され
卵を産む為に、メスは花粉を集めに畑を飛び回るのです。
...という事を
おじじの後を継ぐ育子さんに課程を聞きました。(ふぅ~ ちゃんと伝わるように書けたかな?)
育子さん、去年からマメコの育成を任されたようですよ。
一度は、ヨシの中を見てみたいですね。
幼虫やサナギはイヤだけど、繭だけなら、凝視できるかも。
この春、産み付けられた卵も
また同じように冬越しして
来年、再来年と農園一番の働きものになってくれます。
さて、ちょっと気になる
卵を産んだ後のメスと、交尾後のオスの行く末。
メスはやっぱり一世一代の大仕事の産卵を終えたあとですから
命を終えたと思われますが
交尾後のオスは?
もーーー
メスばかり働かせて、オスはぷらぷら遊んでるのかい?
と、思ったら...
オスは、交尾後すぐにお亡くなりになるようです。(オスさん、ごめんなさい)
世知辛い、昆虫の世界ですね(-_-)
斯くして、りんごとさくらんぼの受粉の為に
一生懸命頑張ってくれたマメコバチ様。(「さん」より格上になりました)
あなた様のお陰で
今年も、良い結実になったことでしょう。
これから、台風や夏の暑さにも負けずに
収穫に向けて、私達人間が頑張ります!
【追伸】
マメコバチ様。
あなた様の頑張りを讃え、板柳町が毎年「マメコバチ感謝祭」を行っていることを
今年初めてテレビニュースで知りました。
板柳でマメコバチ感謝祭 リンゴ豊作を祈願
来年は(呼ばれることはないから)こっそり観に行きたいと思います。

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